
税理士選びに失敗したくありません。
どんな税理士を選べばいいですか?

税理士によって税額が大きく変わることもあるので、税理士選びは失敗したくないですよね。
特に、相続税は、税理士の専門性で税額が大きく変わってきます。
また、みなさんよく思われるのが、「大きい事務所なら安心だ。」という考え。
実は、これは間違いで、事務所の大小は関係ありません。
私はいくつかの税理士事務所で勤務しましたが、大きい事務所でも大雑把な事務所があれば、小さい事務所なのに専門的な事務所もありました。
つまり、
良い税理士かダメな税理士かの違いは、事務所の大小ではなく、お願いする税理士(もしくは、税理士事務所)の資質と考え方次第
なんです。
そこで、本記事では、
- 税理士に依頼した事がある(依頼者側)
- 税理士事務所勤務経験がある(税理士事務所の中の人)
の両方の経験がある、当ブログの管理人が、良い税理士の選び方をわかりやすく解説します。
本記事は、読者の方が税理士探しで後悔しないよう、かなり踏み込んだ内容になっています。
よって、税理士さんにとっては不快に感じることもあると思いますがご了承願います。(ただし、優秀な税理士さんであればご納得いただける内容です。)
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凛
です

- 税理士事務所勤務歴:10年
- 税理士依頼歴:15年
「中の人」と「依頼側」
両立場で得た税理士とのお付き合いを元に「失敗しない税理士選び」を発信中
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- 税理士事務所勤務歴:10年
- 税理士依頼歴:15年
「中の人」と「依頼側」
両立場での税理士とのお付き合いを元に「失敗しない税理士選び」を発信中
【まずは準備から】税理士を選ぶ前に選択基準を決定する

税理士を探す前に、まずは、どんな税理士さんにお願いしたかリストアップしましょう。
例えば、
- 〇税に詳しい人
- 節税対策をしてくれる人
- 入力までやってくれる人
- 話しやすい人
- 予算
- 男性か女性か
など、自分がこだわりたいことをメモしておき、できれば優先順位まで付けておきましょう。
最近、ジェンダーレスの考えが注目を浴びていますが、例えば、「女性の方が話しやすい」など、自分が接しやすい性があれば、区別した方がいいと思います。

特に、相続など、心身が消耗する問題の場合は、「話しやすい」を最重要基準にするといいでしょう。
【失敗しないために!】税理士を選ぶポイント

それでは、失敗しない税理士選びのポイントをあげていきましょう。
1つ1つ見ていく前に、税理士選びで上記ポイントを押さえておくことがいかに重要か、私の失敗談を少しお話したいと思います。
実は、私自身、ダメな税理士に当たってしまったことがありました。
レスポンスは遅いし、知識もあまりないし、間違いが多いし、その割にプライドが高いし・・・で、「自分がやった方が早いな」と、ストレスマックスでした・・・。
こう聞くと、「なら自分ですれば?」って思われるかもしれませんが、ダメな税理士でも、自分で申告するよりはメリットがあります。
それは、対税務署対応と(申告書を作る為の)時間節約です。
ただ、優秀な税理士さんに頼めば、もっと簡単に解決できたと思います。
ちょっとだけ、その税理士さんに対してフォローを入れると、私の依頼したケースの経験があまりない税理士さんで、手間がかかってしまったのは申し訳なかったと感じています。
このように、ミスマッチがお互いを不幸にしてしまうので、税理士選びは慎重に行ってください。
税理士選びのポイント①|
依頼税目の知識と経験は十分か(専門性)
税の申告には、「相続税」「法人税」「所得税」「消費税」「贈与税」があります。
税理士はもちろん、すべてに対応できます。
が、「すべてに精通しているか」というと、実はそうでもありません。
医者に例えると、消化器内科が詳しい先生は、泌尿器科の一般的な病気は見れますが、詳しくは診断することができません。
税理士も同じで、それぞれ得意不得意があります。
オールマイティーな先生もときにはいますが、ほとんどの税理士が(声には出しませんが)得意な「税目」・不得意「税目」があります。
例えば、法人の申告は、右に出る者がいない敏腕税理士も、相続税をあまり経験していないケース。
その逆で、相続税には精通しているが、法人の申告はあまりやったことがないケース。
その為、依頼したい「税目」が何なのかキチンと把握して、その税目に精通した税理士を選ぶようにしましょう。
ダメな税理士ほど、「税務全般なんでもできますよ。」と自信をもっておっしゃっります。
もちろん、本当になんでもできる方もいますが、数は多くありません。
このワードがでてきたら、本当かどうか、見極めが必要になります。
税理士選びのポイント②|
業界を理解しているか
法人税や所得税、消費税をお願いしたい方は、業界を理解している税理士さんを選びましょう。
税理士は、ほとんどの業界の税務はできます。基本は同じなので・・・。
とはいえ、業界により様々な風習や慣行、専門用語があります。
特別な業界であればあるほど、税理士選びは慎重にしましょう。

ご相談される税理士に、ご自分の業界の顧問先があるかどうか確認してみるのもいいですね。
いくら優秀な税理士でも、業界に精通していなければ、話の端々に違和感を覚え、結果、コミュニケーションが少なくなり失敗します。
税理士選びのポイント③|
相性がいいか
業界をクリアした後は、その税理士と相性がいいか確認して下さい。
お互い人間です。どうしても、相性が仕事に影響してくることがあります。
相性が悪いと、情報共有も難しくなります。
特に相続の場合は、通帳や人間関係などの個人情報をかなり開示する必要があります。

コミュニケーション不足は相続の申告にとっては致命的ですね・・・。

素人から見たら「必要ないだろう」と思われる情報も、「実は申告が必要だった」という場合が、相続の申告では結構ありますね。
税理士選びのポイント④|
説明がわかりやすいか
税法は「法律」です。どうしても、難しい言葉が出てきます。

難しい言葉を、わかりやすく説明できる税理士を選びましょう。
法人や個人事業主の申告では、決算対策や節税対策、資金調達や役員報酬の算定など、税理士との話は多岐に及びます。
これらを最終的に判断するのは、経営者であるあなたです。
税理士は、その判断を正しく導くのが仕事です。
その為には、税理士はクライアントである経営者にわかりやく説明する必要があります。
それができない税理士、さらには、説明さえするのを面倒がる税理士さんもいます。
どの業界でもそうですが、クライアントに丁寧に説明できない人は、仕事ができない人が多いですよね。
専門用語ばかり使う税理士には注意しましょう
時には、「私に任せていれば大丈夫だから」と最初っから、説明する気のない税理士もいます。
説明する時間よりも結果を出すために時間を使いたい税理士さんで優秀な方もいます。
逆に、説明しないお任せだから手を抜かれる可能性も無きにしも非ずです。
私、個人的な感想で言えば、「お任せ」は、人間関係が十分に構築されてからの方がおすすめです。
税理士選びのポイント⑤|
レスポンスが早いか
意外に重要なのが、このレスポンス。
今のビジネス、スピードが命です。
相談したいことがあって電話をしても、なかなか折り返しが来ないと仕事が滞りますよね。
そういった意味でも、レスポンスが早い税理士を選びましょう。
ただ、ここで勘違いをしてほしくないのが、「わからない」ことを責めないでください。
例えば、どんなに優秀な税理士でも、調べないとわからないこともいっぱいあるんです。
税法はちょっとした違いや認識違いで、大きく税額が変わることもあり、即答できない場合が多々あります。
そういった場合は一度持ち帰り、精査してお応えするのが『できる税理士』です。
税理士が「調べてきます。」と言うと、「頼りないな~。」と思うかもしれませんが、実は、そうでもありません。
重要なのは、その場ですぐ答えられるか否かではなく、「すぐ調べて連絡がくる」か、「催促しないと連絡が来ないか」です。

催促しないと連絡が来ない税理士はあまりおすすめしません。
税理士選びのポイント⑥|
具体的な提案はしてくれるか
税理士の中にも、言われたことだけしかやらない税理士もいれば、色々と提案してくれる税理士もいます。
もちろんいろいろと提案してくれる税理士さんはその分、顧問料も高くなります。
あなたが求めている提案はどこまでか、また、その提案はしてくれるの否か、必ず確認して下さい。
例えば、
- 入力も含めて経理全般、お願いしたい
- 資金繰りの相談にのってほしい
- 毎月訪問してほしい
- 決算申告2ヶ月前に試算表を提示し、そのデータを元に決算をどう迎えれば節税対策になるのか提案してほしい
など、要望をまずは整理し、それに答えてくれるか否かキチンと確認しましょう。

節税のアドバイスや提案が都度ほしいようであれば、その旨可能かどうか、キチンと確認しましょう。
税理士選びのポイント⑦|
料金体系は明瞭か
税理士に依頼するといっても、どこまで依頼するかにより料金も変わってきます。
例えば、
- 記帳代行(仕訳入力)からお願いする
- 決算だけお願いする
- 毎月試算表がほしい
- 年末調整もしてほしい
- 節税の相談にのってほしい
- 資金繰りについても相談にのってほしいい
など、ちょっと考えただけでも依頼できる業務は多岐にわたります。
そこで、税理士さんと面談する際は、必ず、依頼する仕事内容とその費用を確認して下さい。

「え、そんなこともしてくれないの?」とクレームがくることがあります。

提示した金額以外のサービスは、もちろん追加料金になってしまいます。
当たり前ですが、やってもらいたいことが増えれば増えるだけ、報酬が増えます。
「顧問料が高くなった」とならないよう、あらかじめ報酬は明確にしておきましょう。
(参考)税理士事務所職員からのアドバイス|税理士(事務所)を選ぶときに合わせてチェックしたいポイント
本章では、税理士を選ぶ上で、余裕があれば見ておいた方がいいポイントも合わせて解説します。
中の人が暴露!
1つ1つ見ていきましょう。
チェックすべきポイント①|
事務所職員の雰囲気は大事
税理士事務所を経験して、事務所職員の雰囲気の重要性を強く感じました。
きちんとした事務所は、税理士事務所職員もキチンと教育しています。
お客様がいらっしゃると挨拶してくれる事務所がある一方、知らん顔の事務所もあります。
ただ、これはあまり重要ではなく、ここでいう「事務所職員の雰囲気」は、上司や同僚の関係についてです。
税理士事務所の職員は、職人気質の人も多く、後輩には「見て覚えろ」という感覚の人が多いのが特徴です。
古い、昔ながらの事務所の中には、後輩にあまり教えない先輩も多くいます。
事務所員同士がギスギスした職場では、先輩の知恵を借りることができません。
わかならいまま、なんとなく仕事を進めてしまうため、担当者の能力の差により、受けられるサービスの質が変わってしまいます。

事務所の雰囲気がいい所は、お互いのお客様の問題点を「得意な人に聞く」というコミュニケーションが取れ、業務もスムーズに進んでいました。
チェックすべきポイント②|
税理士がすべて対応するわけではない
税理士が担当したとしても、仕訳やこまごまとした作業は一般職員がやる場合がほとんどです。
その作業の報告を聞いて、税理士が対応します。
よく、「担当者が税理士じゃなくって、一般職員だよ。」という話を聞きますが、一概に悪いこととは言えません。
なぜなら、税理士が担当でも、実際の業務は一般職員がしているからです。
一般職員は、手を動かしているからこそ、税理士が見えないお客様の細かい所が見えてきます。
問題点があれば担当税理士に報告します。

月次程度であれば税理士が担当でなくても十分なサービスは受けられます。
チェックすべきポイント③|
税理士報酬が安ければ安いだけの対応になる
税理士報酬は事務所によって違います。
ただ「安い」ということだけに着目せず、その事務所の適正な価格の中で、安いか高いかを判断しましょう。
例えば、月額3万円でお願いしたとします。
事務所の平均的な顧問料が月3万円なら、その事務所の普通のサービスが受けられますが、事務所の平均的な顧問料が月5万円なら、やはりサービスは低下します。
同じ作業でも顧問料が違えば、高い顧問料のお客様が優先されます。

税理士業務もサービス業なので、それは仕方がありませんね。
また、顧問料が安い場合は、いろいろなオプションが入っていない場合があります。

見積もりを比較するときは、金額だけでなく、サービス内容もチェックし、疑問点があれば契約前にどんどん問い合わせましょう。